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今回の日米会談を取り巻く情勢は114年前と酷似している

フェイスブック篇

平成27年4月30日

今日の東アジア情勢を俯瞰するに、丁度19世紀末から20世紀初頭のような気がしてならない。清朝末期の北清事変に遅れて参戦したロシアは満州に居座った。北京郊外では義和団の乱で数千人のイギリス人が軟禁状態にされるがボーア戦争に忙殺されるイギリスは手の打ちようがない。各国に救援を要請すれども生返事ばかりの中、敢然と火中の栗を拾ったのがわが国・日本だ。自軍に600人以上もの戦死者を出しながら囚われの人を全員無傷で救援したのは今でもイギリスでは語り草である。そのご縁で明治34年(1901)に日英同盟が締結されることとなる。膨張しながら朝鮮、対馬に侵略の矛先を向けてきたロシアとの対決は避けられないと判断したわが国と、世界戦略上ロシアの南下は何としてでも食い止めようとするイギリスとの利害が一致したからだ。

現在、南支那海の内海化を強引に推し進めようとする中共は、あろうことか連なる岩礁を埋め立てて巨大な人工島を構築し、その上に軍用飛行場を建設中だ。116年前のロシアが満州に居座ったのと一緒だ。当時のロシアより厚かましく狡猾なのは軍用資金を外資で賄おうとAIIBを起ち上げている。太平洋の覇権を4年と9ヶ月にも亘る日本との死闘で戦い取ったアメリカにとってこれほど許せないことはない。日英同盟が誕生して114年後の今日、わが国は中共との対決は避けられないと判断している。またボーア戦争ならぬ「中東情勢」から足抜けできないアメリカは世界戦略上、中共による太平洋東進(=分割)は74年前の悪夢を思い起こさせるだけに絶対に食い止めなければならない。まさに日英同盟、すなわち相手国から何としてでも必要とされる同盟関係が誕生しようとしている。

安倍首相の判断は適切だ。同盟関係にとって「占領統治基本法」がどれだけ桎梏になっているか、その矛盾と限界を丁寧に説明し、自主憲法の出番を堂々と説いていく絶好の機会にしなければならない。安倍首相には、血みどろになりながらもかつて太平洋で雌雄を決した間柄でしか語りえないことだけを伝えてきてもらいたい。巣鴨刑務所からは祖父だけでなく「大日本帝國憲法」も早急に釈放して頂きたい。