【採用と不採用 その4】有言実行 | 九州不動産専門学院グループ


 

採用と不採用 その4

博多独楽篇
平成14年 冬号「私的経営のこころ 中小企業の生き延びる道(21)」
 前号までに「新卒採用」の場合として10項目揚げたが、今度は「中途採用」の場合を列記したい。

余りにもブランクが長い人
 その間、どうやって食っていたのだろうかと不思議な思いを抱かせる人がいる。いちいち書き込めないほどの流浪の人生をおくつてきたか、余りにも転職経験が多いかあるいは無為徒食の人生だったかのいずれか一つであろう。そうでなければ刑務所にでも入っていたのか、悪事に手を染めていたのかもしれない。とにかく仕事と仕事のブランクが余りにも長期に亘っている場合は、本人が履歴書に修正記入、追加記入でもしない限り門前払いで対応している。

前職確認のとれない人
 余り知られたくない過去をもつ人は、己の業務経歴に「倒産企業」を列記し、脚色を施すことがある。これでは前職確認のウラが取れない。当の本人にとってはウラを取らせないことが狙いだろうが、仮に本当に在職していたとしても厄病神であることに変わりはない。人生、通過してきた会社が全て倒産してしまっているというのは悲しいことに違いないが、どうもこの手の人は「不幸の手紙」を思い出させていけない。およそ、企業の倒産とは経営者と従業員の合作による「負の遺産」である。経営者だけが指弾されることではない。

公務員感覚の人
 元公務員の一人として言えることは、長年の月~金、9時~17時で培われた公務員感覚は一朝一夕でとれるものではない。時間優先主義の風土の中で形成された(後天的)体質を民間の成果第一主義・顧客絶対主義の体質に改造するのは容易なことではない。「過程」評価主義から「結果」絶対主義の世界への飛躍ということを理解しないで、単なる転職と安易に考えると大変なことになる。民間と官庁との決定的差異は、①「競合」の有無と②財政基盤の遠いといっていいだろう。官庁には兢合は存在しない。また民間は売上に給与資金の淵源をもつが、公務員給与は租税による予算措置にその淵源をもつ。また、民間では「納期厳守」が絶対であるが、官庁は「定時退庁」が絶対である。民間では己の身柄を定刻までに会社に「納品」し、約束した期限までに商品を顧客に「納品」する。そして、その日的達成のためには当然「定時退社」を犠牲にする。民間では「納期」が守られなければペナルティが課せられるか、返金になる。事柄の是非はともかく、これが官庁の外の世界の常識であり、この常識が毎日毎日、それもひとつひとつの取引に個に要求されるのがまぎれもない民間の風土なのだ。また、中小・零細企業では月~金、9時~17時のごとき活動では到底社会から認知されるものではない。「身の程知らず」というものだろう。民間の立場とは、顧客の都合に合わせる立場であり官庁に合わせる立場である。それに対して官庁とは、自らのシステムに民間を合わさせるものだ。本人にとってはコペルニクス的転換ともいえる別世界へのトラバーユだろうが、世の中甘くはない。

倒産企業の経営者だった人
 大抵このタイプは法外な報酬をとってきており、それが倒産の遠因かもしれないということを自覚していない人が多い。そして、報酬をとることができなくなったことをもって「事業の始まり」と考えるのではなく、むしろ「全ての終わり」と考えてしまっている。マイナスから這い上がるのが企業であり創業なのだ。だから、むしろ倒産してからが本番と想わないといけない。
 私のように無報酬の期間が通算で10年にも及んでいる経営者には残念ながらまだ会ったことがない。我が社でも私より高い給料を叔っている社員の方が私より給料の低い社員より多いくらいである。公金を預かるとはこういうことだ。いったん将軍や船長として道を歩み始めたなら、そう簡単に兵士や船員の側に戻ってきてほしくないし、戻らないようにしなければならない。企業を倒産させた人は再び起業家・創業者として挑戦すべきだし、二度と他人に使われる道を歩むべきではない。一旦取得した「経営者の国」の国籍は安易に手放すべきではないし、たとえ「従業員の国」の国籍を取得したとしてもなかなかうまくやっていけるものではない。
資料請求


Back to Top