【長期入院は人作り】有言実行 | 九州不動産専門学院グループ


 

長期入院は人作り

ライセンスメイト篇
平成12年7月号「サイレントマジョリティ」
 会社経営の基幹部隊である社員の長期入院ほど頭の痛い問題はない。入院に至る原因や過程の問題はここでは論じないが、やむを得ざる理由の最たるものとして病気と事故による長期入院の場合をここでは取り扱う。
 生身である人間は、病気もすれば怪我もする。また、どんなに気をつけていても、車を運転する人なら長い間にひとつやふたつの事故は経験しているはずだ。御多分にもれず総勢30名足らずのわが社でもそれはある。①平成4年3月に女性役員(当時42才)が子宮ガンで入院、②平成5年3月に男性役員(当時59才)が心筋梗塞で入院③平成7年5月に男性役員(当時47才)が転落事故で入院④平成8年3月に女子職員(当時21才)が白血病で入院。そして、不完全ながらもそれぞれの職場復帰までの期間を列記すれば①4ヶ月、②5ケ月、③2ケ月、④18ケ月ということになる。
 無駄な人間は1人としてかかえる余裕のない中小企業にとってこれほどの大問題はない。問題の第1は入院した担当者の業務を片時も途切れさせるわけにはいかないので、急拠、別の担当者を育成、というよりも速成する業務が新たに発生することである。実はこれほどキツイ問題はない。なぜならそこには「計画的な業務引き継ぎ」がないばかりか、その業務の受け皿となるべき人間も確保されていないからだ。次は前任者の業務をたとえ、在職している別の担当に引き継がせるにしても、今度は次の担当者の従来の業務を誰が引き継ぐかという問題が発生する。そしてこれは次から次へと連鎖する。第3の問題は入院当事者に対する見舞いや連絡業務等が在職している限りずっと発生しつつけることである。最後は、快復後の職場復帰をいかに円滑に遂行するか、という問題である。
 わが社の対処法を実例をあげて説明すると、まず第1の問題である新たな担当者をたてる件は、前任者の業務を細分化し、既存の人員へ割りふっていく分散方式をとっている。多くの人員を抱えているようであるが、それぞれは簡単に他人が割り込むことができるような密度と水準の業務を遂行しているわけではない。それぞれが、プロ意識に燃えてがんばっている。でなければ対外的には感じのよい応対を維持しながらのっぴきならないほどの大量業務を抱え、かつ、それを納期に間に合わせることなどできようはずがない。だから、それを丸ごとストップさせて、入院当事者の業務を一括して請け負わせるには土台無理がある。かくなることで、第1と第2の問題は同時に解決できる。第3の問題は、当初は全員で実行するが、入院が長期に亘ると判断した段階から別シフトに切り替える。つまり週1回、固定曜日、同定時間に固定の担当者に、入院当事者への見舞いや連絡業務等を一括して司らせることにしている。いわゆる「お見舞定期便」の稼働開始だ。通例、木曜の午後をあてがっている。だから入院当事者は、毎週木曜日の午後は会社からの「定期便」を「心待ち」にできることになる。定期便担当者は上司や部下や同僚の、そして顧客の気持を全てのせて病院に行く。又、入院当事者の気持をすべて会社にもち帰ってくる。そして毎週その状況を掲示することで、社員全員に告知する。本人の家族には定期的に連絡をとる。快復状況次第では病室に仕事も持ち込む。これは①仲間やお客様は本人の快復を心待ちにしているという印象づけであり、②退院後の職場への適応力の早期養成であり、③業務そのものでもある。
 最後は職場への復帰の問題であるが、今までの説明からお判りいただけると思うが円滑そのものである。気心と顔が知れた上に、仕事のできる者が有難いことに「入社」してくれるのである。企業にとってこんなに嬉しいことはない。勿論、以前の担当業務にいきなり戻すことはしない。徐々に通常の業務環境に慣れさせていく。期間に長短はあるが、短い者で1~3ケ月、長い者で3~5年をかければ何とか慣れていくものだ。中には元の身体に戻らないものもいるが、それは全く問題にしない。(私が作ろうとしているのは家族であり、共同体である。)それに応じた業務を創り出して本人に担当してもらうことにしている。
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