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ゼロと比べる 「バブル」は夢と思え

ライセンスメイト篇

平成11年10月号「サイレントマジョリティ 不況に勝ち抜く経営学講座3 教程その2」

ゼロかイチか

 業績の悪いのをなげいてはいけない。ゼロと比べることだ。本来、業績とは悪いものなのだ、ということを常に念頭に置く考え方が大切。顧客が少ないことをなげいてはいけない。全くゼロなのか1人なのかを考えよう。ゼロであれば開拓努力が足らないのであり、1人であればまだわが社は社会にとって必要なのである。それに考えても見よ、企業を興こした時、即座にお客様は来てくれたのか。まだ会社の名前さえ知られていなかったではないか。設備も売り場も完備していなかったではないか。エレベーターもなく、空調設備も整っていなかったではないか。

焼け跡から出発しよう

 また、そう嘆く自分はアパート住いの独身ではなかったのか。それがどうだ、今は奥さんにも恵まれ、その上2人の子供まで授かっての親子4人暮らしではないか。また、かつては自転車で通勤する毎日ではなかったのか。それが何という贅沢三昧だ。今やマイカーとやらで通勤しているではないか。タダの自転車置場が今や月額30,000円の駐車場だ。何かが間違っているぞ、絶対マチガッテいるぞ、という具合に全てをゼロと比べることである。つねに対極にゼロを置くことである。そして何を愚痴っているのか、とたえず自分に言いきかせることである。私たちの先輩は夢にまで見た故郷に復員してきた時、一面の焼け野原だったという。私たちもつねに「ゼロ」という「焼け野原」と比べようではないか。