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修学旅行の経済効果 貿易収支の向上に役立つ目的地の設定を

ライセンスメイト篇

平成15年10月号「人と意見 シリーズ修学旅行 教程その5」

比率3対1

 産經新聞の記事に出ていたことである。今日のわが国の海外への旅行者の数と、海外からわが国への旅行者の数とでは、前者は後者のおよそ3倍になるという。つまり日本人が海外へ持ち出し、落としてくる「円」と外国人がわが国に持ち込んでくる「外貨」の比率が3対1というわけだ。

輸入>輸出

 月並みな表現になるが、日本人が海外に円を持ち出す行為は「輸入」に相当する。「海外旅行」という商品を外国人(=外国)から購入する行為だから、この言葉以外に適当な語彙を知らない。反対に外国人がわが国に外貨を持ち込む行為は「輸出」に相当する。それは「国内旅行」という商品を外国人に(=外国)に販売する行為だから、さしずめこの言葉が最適であろう。

 ここでさきほどの記事の話に戻すと、旅行という商品(=行為)をめぐる国際収支は大赤字ということになる。輸入(海外への円の流出)が輸出(海外からの外貨の流入)の3倍ということは「入超」もいいとこ、深刻なレベルの赤字といっていい。

方針その1.親日国に限る

 海外に物見遊山でいく時は最も親日的な国に限定することが肝要であろう。国際連合に人権委員会なるセクションがあるが、そこでわが国が北朝鮮による拉致を非難する決議を提案したところ、驚くべきことに、そのセクションを構成する国の半数近くが反対ないし棄権したと聞く。反対の筆頭はどこかというと、お隣の支那(中共)である。わが国・日本から累計3兆6千億円ものODA支援を受けていながら、何という恩知らずな政府であろうか。こんな国で拉致されたら、それこそ第2・第3の「横田めぐみさん」を量産することになるだけである。

方針その2.国内旅行の再発見

 もっと積極的に国内旅行に目を向けるべきであろう。とりわけ多人数の移動にならざるをえない修学旅行ともなれば、なおさらだ。わが先人・先達がそれこそ命を賭して守ってきた輝かしい歴史と文化と伝統を顕現した名所・旧跡がこの列島の隅々にまでくまなく現存しているのもわが国・日本の特徴である。数千年という長きにわたって支那の圧制に呻吟してきた朝鮮半島には、韓民族固有の痕跡はほとんど残っていないという。万里の長城の北側に位置する満州もしかりである。そして、それが今日的に実行されているところがチベットである。総人口600万人のうち何と4分の1にあたる150万人が中国政府によって殺戮され、固有の文化や遺跡は片っ端から破壊し続けられているという。それゆえ彼ら支那(=中共政府)にタリバンによるバーミャン遺跡の破壊を非難する資格はないというものだ。平山郁夫氏にはもっと勉強してから行動してほしかった。

方針その3.国益への貢献

 グローバルな視点にたって旅行という商品を媒介に、是非「出超」という健全な国際収支にもっていくように国民として最低限の行動を心掛けることであろう。もって国益に貢献することを目指してもらいたい。

 かくなる理由で修学旅行は海外ならば最も親日的な国、国内ならば日本文化・大和民族の強烈な個性の残されている所を推挙する所以である。