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国民皆兵ノススメ(その2)

ライセンスメイト篇

平成11年1月号「サイレントマジョリティ」

 日本の軍人を畏怖し、尊敬するのは支那人や朝鮮人だけにとどまった訳ではない。後年、小沢提督率いる日本の連合艦隊をマリアナ沖海戦で破ることになるアメリカ太平洋艦隊の提督ニミッツは若かりし日の思い出をかく語っている。「私が若き海軍士官だった頃、日本の東郷元帥に謁見する機会があった。今、目の前にいるこの人があの世界最強のロシアのバルチック艦隊を破った人なのだ。私はその時心の底からわきおこった感動でわが身の震えをどうしても止めることができなかった」と。彼がアメリカ海軍の提督になることを決意し、祖国防衛の礎になることを固く誓ったのは、実にこの時だという。歴史は皮肉である。それから40年後に世界最強とうたわれた日本の連合艦隊があろうことかそのニミッツにうち破られることになるとは!

 東郷平八郎が連合艦隊司令長官の辞令をうけたのは還暦の前である。また山本五十六の祖父が庄内藩の侍として押し寄せる官軍の中に大刀をひっさけて切り死にしていったのは70を過ぎてからだという。要するにそういう軍人、というより武士(もののふ)が世の中にゴマンといたのが100年前のわが国の状況だった。また、それを「ノーマル」で「あたりまえ」と受け取める気風・気概も当時の社会には満ち溢れていたのである。

 今日、わが国のトップには、またそれを非難・批判する野党勢力、マスコミには自らが先頭切って戦場に赴く度胸や覚悟は微塵もない。だから平気で地雷禁止条約などに調印してしまう。一体、前線で戦う歩兵部隊のことなど一顧だにしないで一国の宰相がはたまた議員が務まるとでも思っているのだろうか。

 軍事専門家の見積りによると、地雷を敷設できない状態で侵攻してくる敵兵を迎撃したとすると、自軍の損傷率が30%も増加するという。つまり、10万人の軍隊で敵軍15万を迎え撃った場合、自軍の死傷者が仮に8,000人でくい止められるものを、地雷を敷設できないため、いきなり30%の30,000人が加わり38,000人になるという計算だ。こんなことさえ判らないで、というより自国を他国の侵略から守る兵士やその父母の気持も顧慮することなく、ただパフォーマンスだけで一国の方針を決めてしまっている。しかも、この条約は調印国を10世紀(1000年)の間、拘束するという。何ともあいた口がふさがらない。バカとしかいいようがないのはこのことだ。

 今日、不況・不況といわれて久しいが、こういう時代「戒厳令」を布告して会社をたて直すことのできる経営者が一体何人いるであろうか!「民間企業における戒厳令」とは以下の2点につきる。すなわち①年中無休と②社員皆営だ。これを役員からパートタイマーの1人1人に至るまでくまなくⒶ納得させⒷ強制させきるか否かに今日の非常事態突破のカギがある。ⒶとⒷはいずれが欠けてもダメである。①と②もしかり。つまり、Ⓐ・Ⓑを媒介に①・②を確立することからしか業績達成(=商品提供)もままならないのが今日の民間企業を取り巻く環境である。

 今日のわが国では、とりわけ上場企業といわれる民間企業においては、非常事態という認識すらできないほど平和ボケしたトップ陣がカジ取りをしている。白人列強はGHQ憲法をしてわが国の軍事的自立にクサビをうち込むことに成功した。今や第2のGHQ法規ともいうべき時短法によって戦後50年かかって築きあげてきた国民的富の成長に第2のクサビをうち込んできている。結果、わが国の富はそれこそ奔流の如く海外に流出していっている。海外に植民地を築くことなくまさしく不眠不休の勤勉さだけで築きあげた世界史上類例のない国富がである。

 この例外的ともいえる形で確立された国富に国際列強はそれこそ狼の如く襲いかかってきている。ビッグバンはそういう意味では国際列強による日本株式会社の生体解剖の始まりなのだ。日本株式会社は今こそ戒厳法規ともいうべきものを布告しなくてはならないだろう。それは時短法の撤廃とGHQ憲法の改正である。国民皆兵は社員皆営と同根同意のものである。「国民は等しく国防の義務を負う」と「社員は等しく営業の義務を負う」とは一体のものである。権利の行使と恩恵の享受だけを謳歌した堕民政策のモデルともいうべきGHQ憲法や時短法を、1日も早く歴史のくずかごに入れていくことが私たちの責務であろう。