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「日中友好」の美名の陰で暗躍する支那人就学ブローカー(その1)

ライセンスメイト篇

平成12年11月号「サイレントマジョリティ」

 今年の春のある日、私の知っている専門学校に「D」と自称する支那人がやってきた。「日中友好」のために貴校に留学生をお世話させてもらいたい、というのが訪問の目的のようだ。対応は校長がしたが、ここではそのやりとりの一部始終を展開しよう。

 D氏、日く「留学生については受入学校から紹介料として1人あたり15万円戴くことにしている」。校長もこれにはいささか度胆を抜かれたようだ。「友好」や「親善」などと美辞麗句を並べたてながら、何のことはない、とどのつまりは「銭(ゼニ)をくれ」ということだ。続いてこうも付け加えたという。「留学生の実家からも同額の15万円を取っているのだから、貴校の支払う15万円は決して高いものではない」と。校長は思わず尋ねた、「それではあなたは双方から15万円づつということだから留学生1人の斡旋料は30万円にもなるのか」。「日中友好、日中友好、ビジネス、ビジネス」これが彼の回答だったという。

 校長は留学生受け入れは大局的には国の方針(国策)でもあることだから、こういう方法でしかそれができないのであれば「若干名」という条件で応諾したという。すると、彼はカリキュラムを見せていただきたいときた。そこで校長が詳細な説明にはいると、彼はその中の一項目に鋭く反応してきて、この授業だけはやめてくれ、といってきた。それは「修身」の授業をさしていた。校長の学校は「国際化時代に対応できる日本人を育成するために、わが国の歴史、文化、伝統を理解し、民族の誇りを養うための講座」として「修身」の授業をしている。

 さすがの校長もこの要求にはカチンときたらしく「あなたはわが校に貴国の若者を就学させようとしているが、この国はあなたの国ではないということをご理解していないではないか」といったら、「あなたの学校では少子化対策ができているのか、金が欲しくないのか、このままでは専門学校の経営はたたないのではないか」とたたみ込んできたという。痛いところを突かれ、ほとほと閉口したらしいが、最後まで、校長は「修身」の旗を下ろさなかった。「おたくといくら話してもビジネスにならない」と捨て台詞を吐き、かのブローカー氏は去っていったという。

 とめどなく進行する少子化の波は入学者人口の減少となって学校「経営」を万力のように締め上げてきている。そこに抜け目なく着目したのがこの手のブローカーたちである。支那の若者に根強くある日本渡航願望とセットにして両者(送り出す家族と受け入れる学校)の懐(ふところ)からチャッカリ手数料を戴くという算盤だ。自国の若者の夢もかなうし、相手国の学校も潤う。私たちは両者・両国の橋渡し役だし、双方から校納金や授業料の一部をピンハネして何が悪いのか、というのが彼らの言い分だろう。

 しかし、ここまではあえて認めてあげるとしても、他国の学校の愛国教育の方針までクレームをつけるのは常軌を逸した行為というものだ。校長は彼にこう尋ねている「あなたの国ではわが国からの留学生に共産主義や反日史観の教育をしているというがそれを改める気はないか」と。それに対して彼は「内政干渉だ」とにべもなかったという。それでいて、他国の学校にはグイグイと「内政干渉」してくる。それも「銭(ゼニ)は欲しくないのか」と札束をチラつかせながらである。