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採用と不採用(その2)

ライセンスメイト篇

平成13年7月号「サイレントマジョリティ」

 過去の苦い経験にもとづいて、今は採用していない人たちについて一言述べてみたい。しかし、

 人とは採用し、使ってみないとわからないのも事実だ。だから、あくまで以下の私見は最大公約数的なものとして受け止めていただきたい。

 はじめに「新卒採用」の場合として10項目、次に「中途採用」の場合として5項目を列記した。

 そして、これらは一寸工夫しさえすればはじめの選考試験の段階で全て識別可能なことばかりである。あとは人事の選考担当者の勇断にすべてかかっているといっても過言ではないだろう。

条件面に余りにもこだわる人

 自分が周囲にしてあげることより、周囲が自分にしてくれる事により一層の関心をもつ人で、うちのようなサービス業にはハッキリ言ってむかない。義務の履行・励行より権利の主張・獲得に傾斜した考えの持ち主が多い。「採用してもらってありがたい」というより「不満があるが、入社してやる」と思っている。又、仕事そのものより条件に最大の関心があるので、条件さえ折り合えばサッサと転職してしまう。条件が全てであって、仕事はそれにくっついている附録のようなものだという考え方の持ち主で育て甲斐がない。拝金主義がはびこっている支那の留学生には多分にこの傾向が見られる。また、かって大流行した「人権至上主義」の感染者もこの部類に入れていいだろう。

大企業のシステムが「絶対善」と信じて疑わない人

 大小と善悪や優劣は関係ない。しかし、大は善で優、小は悪で劣という固定観念にとらわれている人が意外と多い。又、機能的で合理的な大手のやり方に憧憬に近い気持ちを抱いている経営者もいる。大邸宅が善で、6畳ひと間が悪であるとか、アメリカやロシアや支那の様な面積の大きい国が善かつ優で、わが国のように狭い土地の国が悪かつ劣であるとかという乱暴な理論もない。大男・大女が善で小男・小女が悪であるなど笑止千万である。大手企業にはそれなりの文化・伝統もあるだろうが、中小零細にも負けず劣らずの文化・伝統がある。こうした関係の中に善悪・優劣の価値基準をもちこむことほど不毛なことはないし、いわば大小の問題は「水(みず)」の問題として片つけるに限る。すなわち「大手文化」を絶対善と信じて疑わない人は「中小の水」に合わせるのに時間と年数がかかりすぎる上に、その間に予想される配属先での文化的軋轢を考えると、スタッフとして隔離したポジションとスペースが確保されない時は、どんなに能力(自称)があっても採用しない。中小でいう「公私融合」を、大手では「公私混同」と呼ぶらしいがこれも文化の違いだろう。

反日感情の持ち主

 後天的な教育によるのであろうが、わが国が嫌いな人に企業が忠誠心を期待しても土台無理な話。反日という反権威主義者は大体において企業の経営者とか商店主を「悪人」と決めつけている。また猫の額ほどの土地しか所有していない人に対して敵愾心すら抱いている人もいる。また、自分の上司にだけは絶対に従うまいと心中密かに決意していることだってある。『獅子身中の虫』とはまさにこういう人たちを指すのであって決して入社させてはいけない。このような考えであるか否かを的確に見抜く設問こそが、入社試験に組み込まれるべきである。なお、この範疇には国民に「反日・抗日教育」を施しているおくにからの留学生や、その国籍者も含まれることはいうまでもない。応募の自由やその権利の行使には、不採用の自由やその権利の行使で対抗できるのが民間の強みというものだ。

自分の出生や親の職業を堂々と言えない人

 やくざ者でさえ「手前、生国は…」と口上を述べたものだ。堅気の商売に飛び込む人が何で「故郷(ふるさと)」を述べられないことがあろうか。盗み・火つけ・殺し・麻薬・売春等が親の「仕事」であるならともかく、この世の中で堂々と言えない職業はない。近頃、支那人によるピッキングが横行しているが、これは仕業(しわざ)とはいっても決して生業とはいわないし、いわんや職業とは縁もゆかりもない犯罪である。「国憲を重んじ、国法に遵う業」である限り堂々としかも、目を輝かせて親の職業を言うべきなのだ。己自身の親の職業を恥じる心がある限り、その人は自らを採用し雇用してくれた会社を誇ることはないであろう。そして、わが社はこういういじけた人は採用しない。

営業を忌避する人

 入金(売上)を達成していく苦労は拒否しながら、出金(給与支給)にはあやかりたいというチャッカリ型で、中小企業にとっては「お荷物」というよりむしろ「敵」に近い存在である。全員営業、すなわち「社員皆営」でないと成り立ちようがないのが中小零細である。これがこの世界の文化であり文明であり価値なのだ。こういう文化や価値はたとえどんなに大きくなっても忘れず持ち続けることが肝要である。国家でいえば、それこそどんなに歴史や文化や伝統を誇ろうと、はたまたその政治的円熟や経済的繁栄を謳歌しようと、「国民皆兵」の原則を崩したらいけないようなものだ。一に営業、二に営業、三・四がなくて五に営業、これが中小企業の誇るべき文化と価値である。確固不動のこのテーゼの無条件的承認こそが採用の絶対条件である。