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ごあいさつ

ライセンスメイト篇

平成18年12月号「祝辞 社会人部門卒業式によせて」

 かつてわが国・日本の最北端に位置していた占守(シュムシュ)島。私たちが終戦と信じて疑わなかった昭和20年8月15日を過ぐること3日目の18日未明(深夜2時)、その島に1万にのぼるソ連軍が突如として襲いかかってきた。迎え撃つわが陸軍(第91師団)の守備隊は武装解除の状態であったにもかかわらず勇戦奮闘し、350名の戦死者を出しながらも敵に3000名もの犠牲を強制し、島を守り抜いた。

 以降、3日3晩に亘る敵の攻撃に耐え抜いた現地部隊は、局地的には完全勝利していたにもかかわらず、東京の大本営から急派された特使の命により停戦協定に応じざるをえなかった。「戦術的勝利は戦略的敗北を覆しえない」というが、まさにその典型例がこの戦いであった。守備隊司令官の無念さはいかばかりかと察するに余りある出来事であった。

 千島列島最北端(カムチャツカ半島南端の沖合)の小島で流された皇軍兵士の血こそがソ連(現ロシア)による北海道占領という最悪の事態を防ぎえた唯一の道であった。初戦において出鼻を挫かれたソ連はそれでも9月3日までの17日間で現在の北方四島までを不法・不当に占領した。そしてその状態は今日に至るも微動だに動かない。

 2週間余りの日数で略奪された北方の島々を取り戻すために今年ですでに61年の歳月が流れた。武装し、ことあらばわが国の領土を掠め取ろうとする周辺諸国に対して、「話し合い」を対置するカリカチュアを私たちは竹島・尖閣・拉致とこれでもかこれでもかと経験させられている。

 九州不動産専門学院を昭和55年に開校し、今年で27年目となります。この間、実務にたずさわる人材の育成にかかわらせていただきましたが、不動産業における土地とは外でもない国土であります。私たち学院グループに連なる職員が日々働く目標を「人を作り、町を作り、国を作る」としているのは、まさに国益にのっとり国土を扱う人を育成しなければならないからであります。

 本日はめでたい門出の日ではありますが、あえて命を賭けて島(不動産)を守り抜いた先人の偉業を紹介させていただきました。

 私どもは今後とも「不動産、法律、建設の専門学校」として「国と地域と業界の防人」を育成して行く所存です。御指導・御鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

 本日は誠におめでとうございます。