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日台関係の現状と今後の課題 ー国際関係と経済関係の視点からー

フェイスブック篇

平成26年10月13日

10月12日(日)、午後4時から2時間に亘って上記の表題で講演会が行われました。講師は櫻井眞先生(サクライ・アソシエイト国際金融研究センター代表)、会場は福岡国際ホールの16階大ホールAでした。九州台日文化交流会とリアリティマネージメント(株)の共催で、台北駐福岡經濟文化?事處、台湾貿易センター福岡事務所、中華航空福岡支店が協賛で名を連ねていました。参加者は恐らく120から130名程度だった思います。以下はその時の講演の要旨です。

<序論> 近年、日台の相互交流は益々盛んになり観光を中心に今年は400万人を越える見通し。台湾から日本に300万人、日本から台湾に100万人。何故か。ここで両国の共通項を列記。つまり親近度測定の基礎的事項の展開だ。

<本論> 次に経済関係の説明に移行。結論は台湾は「近隣で唯一の先進国の友人」であるということ。その台湾との関係が長年の懸案事項の解決も含めて急速に改善されつつあり、安倍政権の誕生がそれを可能にしたということ。

<結論> しかし問題は両国間に正式の国交がないこと、この負の現実を補填するための政策対話を如何にして担保していくかが今後の課題。海洋国家の方向に舵をきり延命を図ろうとしている中共が、20世紀初頭のアメリカのマハンの大艦隊主義に学び、南支那海を手始めに西太平洋、印度洋の内海化を目論んでいる今日、この宿題の実行が本気で問われている。

400字詰め原稿用紙でまとめれば以上が精一杯です。どちらかといえばとっつきにくい課題を本当に判りやすく説明して下さりいい勉強の機会を与えてもらったと思っています。

欲を言えば序論における共通項の説明で歴史的視点が希薄でした。例えば中韓等の特亜と違って「法治国家」であること、「契約社会」であること、「私よりも公を大切にする社会」であること、そしてこれらこそが経済発展のための土台中の土台であり、その根源は日本統治時代にあることを展開していただければありがたかったと思います。更にいえば中華民國も国共内戦に敗れたという点ではわが国と同様に敗戦国であること。しかし最大にして最高の共通項は、400年以上に亘る西洋列強・白色人種によるアジア支配を覆し、有色人種の民族自決と国家建設を推進し、民族差別・人種差別のない今日の国際社会の礎を築くために台湾人は日本人と一緒に血を流してくれたことが挙げられます。世界史の変革と人類史への貢献に台湾人が躍り出た瞬間で、日本人としてこれだけは絶対忘れてはならないことです。

「溺れる犬は叩け」の支那、「強きを助け弱きを挫く」の半島に対して、曲がりなりにもわが国は「義を見てせざるは勇なきなり」が基本であり、「弱きを助け強きを挫く」が行動の指針です。こういう人情の機微がわかり合えるのも今日の世界では「地下水脈で結ばれている日本と台湾」以外考えられません。「英米の関係」に譬えられる所以はまさにここのところではないかと思いました。

残念なのは締めの挨拶に立った男性の「国家とか国境は要らない。僕たちは地球市民だ。」なる発言でした。帰るとき満員のエレベーターでたまたま一緒でしたので、大きな声で「ああいう非常識な戯言(たわごと)は今後控えるようにしなさい。」と注意をしました。マネージャー共々意外と素直に過ちを認めましたが、そのことは何も考えないで言っているということで、50歳を過ぎたというのに芸能人の知性の低さに空恐ろしさを感じました。今後も気付いたときは年長者の義務として指摘をしなければと思いました。

最後になりましたが、お招きをいただきました台北駐福岡經濟文化?事處(中華民國在福岡領事館)の戎義俊處長(総領事)に感謝申し上げます。